一般の住宅では、柱上トランスから複数の家庭へ電気を送るため、
どこかで電気機器の漏電を即検知するため、接地配線方式でされています。
手術室などでは、接地配線方式ですと、漏電が発生した場合に不用意に漏電遮断器を動作させて、
電気の供給を停止すると医療に重大な支障が出る場合があります。
そのような医療機器には非接地配線方式で、
漏電発生時にも漏電警報機のみ作動させる方式での電気の供給が認められています。 |
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第25回 プラグの刃の先の穴は? |
日本の125V15Aプラグの刃の先に開いているの穴は、経済産業省令(電機用品の技術上の基準を定める省令)で決まっています。
その省令の『別表第四 配線器具/6接続器』の中で、プラグの穴について定められており、
プラグの栓刃根元から11.7mm±0.4mmの箇所に、直径3mm+0.3mm-0.2mmの穴を指定しており、
穴は義務になっております。 |
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穴の目的は
コンセント(ボデー)の中にあるプラグ栓刃を保持する”刃受けばね”の”ボッチ”と
呼ばれている突起があり、
プラグを十分最後まで差し込むと、栓刃の穴に”ボッチ”が入るようになっており、
プラグが抜け落ちないことを目的としております。
また”抜け止めコンセント”を上記省令で規定されている為でもあります。
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※プラグの容量や電圧によっては穴を義務化されていないものもあります。 |
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第26回 抜け止めコンセントと引掛けコンセント |
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抜け止めコンセント |
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抜け止めコンセントは、プラグを差し込んで回転させると、プラグがロックして簡単に抜けなくなります。
コードに足を引掛けてもプラグが抜けにくく、プラグ脱落による電源シャットダウンやスパークを防ぐ事ができる
安全性に優れたコンセントです。 |
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一般の差し込みプラグ(平行刃)を差し込んで使用する事ができます。 |
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引掛けコンセント |
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引掛けコンセントも抜け止めコンセントと同様に、プラグを差し込んで回転させることで、
プラグがロックして簡単に抜けなくなります。
引掛けコンセントは抜け止めコンセントより抜けにくくなりますが、 |
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専用プラグ(引掛け型)を差し込んで使用する必要があります。 |
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名称 |
抜け止め形 |
引掛け形 |
プラグ |
コンセント |
プラグ |
コンセント |
形状 |
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定格電圧 |
125Vのみ |
125V〜250V |
定格電流 |
15Aのみ |
15A〜30A |
種類 |
2極及び2極の接地極付 |
2極ないし2〜3本の接地極付 |
刃の数:2本と3本 |
刃の数:2本・3本・4本 |
特徴 |
一般家電製品などのプラグがそのまま使用出来る。
簡単に抜けない。 |
プラグはコンセントに対応した引掛け型となる。
引っ張り強度が強い。 |
主な使用場所 |
一般家庭、オフィスなどの小容量機器用など。 |
工場、産業用機械、高容量電源延長用など。 |
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第27回 静電気について |
今回は、冬に金属を触るとバチッとくる静電気の原理や対策を紹介します。 |
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第28回 感電 |
どうして感電するのでしょうか?
電線に触れただけで感電するなら、電線に止まっている鳥は感電するはずです。
でも実際、感電している鳥を見た事はありませんよね?
それは鳥が我慢しているからでなく、鳥の体には電気が流れないからです。
鳥も人も電気が体を流れれば感電します。
電気は通常、行きの電流の電線と帰りの電流の電線の2本を使って流れています。
電灯回路では1本は100Vの電圧がありますが、もう1本は0Vなのです。
この電圧の差によって初めて電流が流れるのですが、1本の電線では電圧の差が無いので感電しないのです。 |
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感電する例 |
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電線から人体を通して大地(地面) |
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感電 |
機器類から人体を通して大地(地面) |
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感電したときの電流の大きさによる違い |
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1mA |
ピリッと感じる程度 |
5mA |
メチャ(相当)痛い |
10mA |
耐えられないくらいビ襲沌くる |
20mA |
筋肉の硬直が激しく呼吸困難になる。引き続き電流が流れると死ぬ場合もある |
50mA |
短時間でも生命が相当危険に |
100mA |
致命的な障害が残る場合や死ぬ場合もある |
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感電対策例 |
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漏電遮断機とアース線を取り付けておけば感電の危険性はかなり低くなります。 |
また、感電した時でも人体に及ぼす影響は小さくなります。 |
アースは、電線を接続した銅板・銅棒などを地面に埋め込む必要があります。※このアース工事は、電気工事の資格が必要です。 |
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第29回 デマンドコントローラについて |
デマンドコントローラとは、高圧受電の契約電力の超過の防止や、デマンド値(最大需要電力)の引き下げを目的に使用する装置です。
デマンドコントローラー、デマンドコントロール装置とも呼ばれます。
デマンドコントローラは刻々と変化する使用電力を監視し、設定されたデマンド値を超える事が予測されると、
負荷設備に制御をかけ一定の値を超えないようにします。 |
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電気料金の算出のからくり |
電気料金は『基本料金』と『使用電力料金』の合計です。 |
基本料金は「契約電力」×「基本料金単価」、用電力料金は「使用電力量」×「電力量料金単価」となり、
契約種別や電力会社により単価は異なります。 |
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電気料金の算出で特に重要なのは「契約電力」「使用電力量」です。 |
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契約電力 |
過去1年間でのデマンド値(最大需要電力) |
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契約電力500kW未満の場合 |
当月を含む過去1年間のデマンド値が契約電力となります。
1度でも高いデマンド値(最大需要電力)が出ると、その契約電力値が1年間適用され、
その他の月でデマンド値がいくら低くなったとしても、その後、11ヶ月間は基本料金は下がりません。 |
契約電力500kW以上場合 |
電力会社との協議により契約電力が決められ、毎月の基本料金の算出に使用されます。
デマンド値(最大需要電力)が契約電力を超えると、
超過電力に基本料金率を乗じた金額を違約金として支払うことになります。
また、超過したデマンド値(最大需要電力)をもとに、新たに契約電力変更の協議が行なわれます。 |
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デマンド値とは、使用した電力を30分毎に計量し、そのうち月間で最も大きい値のことを言います。
この値は同時に使う電気機器が多いほど、大きくなります。
基本料金算定は「1年間の使用量を30分毎に分割した最大のデマンド値(電力使用量)」を基準にして決定されます。
1年間使用した電力のうち「たった30分間の最大電力使用量」が毎月支払う基本料金の契約算定基準になってしまいます。。。 |
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そこで「デマンドコントローラ」を使用し、契約電力を抑制。基本料金を大幅に削減します! |
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デマンドコントローラの種類 |
手動制御タイプ |
設定した目標値を超えそうな場合、警報などでお知らせするシステム。
電気機器(空調・整備?の制御は手動で行います。
例)警報が鳴るとエアコンを消したり、部屋の電気を消したりします。 |
自動制御タイプ |
電気機器に優先順位を設け、設定した目標値を超えない様、
優先順位に従って警報などでお知らせし、自動的に電気機器を制御します。
例)監視装置を設置してピークに到達する前に警報発令などで警報通知を行い、
優先順位の低い機器の電源を消します。 |
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第30回 工事現場から感電事故をなくそう! |
クレーンや建築資材等が電線に接近・接触しますと、電気が停電するだけでなく、感電事故により、死亡に至る恐れがあります。 |
■労安法第20条第3号関連労安規則第349条抜粋 |
事業者(現場責任者)は、架空送電(配電線、送電線)又は、電気機
器具の充電電路に近接する場所で、工作物を建設、解体、点検、
塗装等の作業もしくはこれらに附帯する作業又は杭打ち機、杭抜
き機、移動式クレーン等を使用する作業を行う場合において、当
該作業に従事する労働者が作業中又は通行の際に、当該充電線路
に身体等が接触し、又は接近することにより感電の危険が生じる
恐れのあるときは次の各号の何れかに該当する処置を講じなけれ
ばならない。 |
1.当該充電電路を移設する。
2.感電の危険を防止するための
囲いを設ける。
3.当該充電電路に絶縁用防護具を
装着する。
4.前3号に該当する措置を講ずることが
著しく困難なときは、監視人を置き、
作業を看視させる。 |
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配電線と送電線との安全距離 |
電圧 |
安全距離(※1) |
配
電
線 |
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事前に連絡すれば、
防護管の取付が可能 |
100ボルト
200ボルト |
2m以上 |
6,600ボルト |
送
電
線 |
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防護管の取付は不可 |
2〜3万ボルト |
3m以上 |
7万7千ボルト |
4m以上 |
15万4千ボルト |
5m以上 |
27万5千ボルト |
7m以上 |
50万ボルト |
11m以上 |
(※1)労働基準局長通達値に目測誤差およびクレーン操作特性を考慮した電力会社推奨の離隔距離 |
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(関西電力発表資料参考)
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